今日は、3月11日。
新聞やテレビでは数日前から思い出したように、東日本大震災の当時や、現在も困難の中暮らしておられる被災者の方々についての報道を目にするようになりました。被災当時から現在までそのような中にある方々には、心からのお見舞いの気持ちを申し上げます。。
また当時一帯を襲った津波によって、備えられていた予備も含めた電源を失い、発生した福島第一原発事故。11年たった現在も居住できないエリアが残り、その地域の人びとを中心に大きな被害を残しています。
当時の原発被害とその影響を食い止めようと孤軍奮闘する現場作業員や埒のあかない国とのやり取りを描いた映画「Fukushima 50」(2020年、角川大映)はその鬼気迫る映像や人物模様で、日本アカデミー賞でも複数部門で受賞した作品です。
同様に原発事故を描いた映像作品として、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で、1986年に発生した事故をテーマにした「チェルノブイリ -CHERNOBYL-」(2019年、HOB/アメリカ)という映画があります。事故後の調査報告では、発電所のきめられた運用管理の規則を無視し、さらに事故発生の隠ぺいや軽視の積み重ねた人的要因が、世界的な大事故につながったとされており、作品の中ではその様子を恐ろしいまでに克明に描いています。2019年にアメリカで5回シリーズのドラマ作品として放送されました。こちらも数かずの映画賞を受賞しています。日本でもDVD/ブルーレイをレンタルショップやネット配信でも視聴することもできます。
現在チェルノブイリ原子力発電所は、ロシアによるウクライナ侵攻で、すでにロシア占領下にあると報道されています。ウクライナ国内にある他の原子力発電所や公共施設へも攻撃が行われ、さらに病院や学校では妊婦や子供などの住民へも被害が出ている様子が連日報道されています。一日も早い平時が、現地に訪れることを、つよく願って止みません。
平和を進めるのも後退させるのも人間。創造性や感情は時に恐ろしい事態を引き起こします。それを食い止めるあるいは問題を小さくできる方法のひとつには、意思決定に少しでも多くの人々が関与し総意で決定していく仕組みなのかもしれません。
以前講演会でお会いした、ウェブサービス「OKWAVE」創業者で名古屋出身の兼元謙任氏から、知らない分からないからこそ疑い傷つける結果になる、だからネットを通じて教えあい分かりあうサービスづくりに取り組んだ、といったことを伺ったことがあります。ご本人は難治性の病気にかかり、またホームレスを経験し数々の困難な体験なかで、その結論にたどり着いたそうです。
AHIがめざすところ、ミッションやビジョンを示した「AHIハウス」とその実現も、共に理解しお互いから学びあう、そのための場や活動づくりのアプローチといえるでしょうか。そしてそのアプローチは、国や地域を限定せず、ずっと遠くを見据え時間のかかる取り組み。OKWAVEの立ち上げの理念とも共通したものを感じます。 職員 ごんだ