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作ってオワリにさせない住民条例~トンさんの場合

日本でも住民が参加して、各地域でいろんな条例が作られています。ですが、時々ききませんか、こんなセリフ・・・「条例は立派なんだけどねえ」

作ったけれども実行されてない、というケースも、少なくはないようです。

さて、先日。2017年の国際研修にタイから参加したトンさんから、「研修の最後に

2017年8月 研修参加時のトンさん

作った帰国後の活動計画、もうすぐ完了です」とFBで報告が届きました。

トンさんは、地域住民がそれぞれの地域で、保健憲章を作る取り組みを進めています。「憲章」といっても法律のようなものではなく、冒頭にあるような、日本でいう住民参加でつくる自治体の条例のようなものです。

それぞれの地域の特徴や課題に基づいて、

こういうことに焦点をあてて、こういうことを大事にして健康な地域を作っていこうね、そのためには、それぞれこんな役割が行政にも住民にも、地域の企業や学校にも、あるよね・できるよね、そのためにこんな仕組みをつくろうね、という、自治体と住民とで合意したルールや、役割、約束事が書かれています。

憲章は、住民や企業も参加し、行政と一緒になって作られます。

ですが、多くが「作ってそのまま終わっちゃう」のがトンさんの研修参加前の課題でした。作る時には、みんなやる気もあって、時間もかけて、一生懸命。

でも、人って難しい。モチベーションはなかなか続かない。自分が現地に赴ける時は、できるかぎり鼓舞したり助言はしてきたけれど、自分ひとりでは面倒みきれないんだよね・・・。

地域の住民や地方行政の職員がやる気になって、自分たちで動かしていくために、何が必要なんだろう、何が足らないんだろう。

研修の彼の大きな学びは、地域のことは、地域の住民と、地域の行政のもの。せっかく作った憲章を、住民も行政もちゃんと意識して、活用して守って、それに基づいて施策を作っていくためには、トンさんやトンさんの団体の職員ではなく、地域の住民・地域の行政の人が「自分たちで自分たちの面倒を見る」ことが必要なんだということ。

そうすれば、自分が行かなくても、地域でちゃんと回っていくはず。

2017年10月 活動計画発表中

研修最後の週に彼が作った計画は、憲章づくりが住民参加と協働でできているかに留意して、作った後もちゃんと生かされているのかモニターしたり、相談役になったりするチームを各地域で作って、育てること、でした。

 

メンバーは、地域住民や行政の職員など、鍵となる人たちです。

作ってはいオワリ、にせず、個々人の課題への意識を高めて、お互いの継続的な関係づくりと話し合いの場をつくる、仕組みです。

今回届いた彼の報告には、彼が担当する北東部では、

「AHIの研修で行政・住民・NGO連携についてディスカッションする時に使った図を、憲章づくりチームの研修でもやってみたよ」と送ってくれた写真です。

すでに100人ものキーパーソンを見つけて研修を終えたとありました。あわせて、まだ憲章を作っていない自治体への、憲章作成への予算もゲット。研修後は、いよいよこのチームが動きだします。

 

最後にトンさんのメッセージ。

「ここで終わりではありません。僕の活動計画成果は、そのチームによってより多くの地域で保健憲章が作られて、その後も活用されていくことにつながるかどうかにあります。来年を楽しみにしててください」

 

し職員

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