沖縄にゆかりのある私ですが、
ある記事に出会うまで、沖縄の工芸のひとつ、
八分茶碗、については無知でした。
この夏、女優の浜美枝さん執筆の『心にとまる八分茶碗の教え』
と題した記事に目が止まり、心に染みる内容に、
記事を切り取りその後ずっと大事にしています。
浜さんが初めて沖縄を訪ねたのが1962年。
沖縄の本土復帰の10年前ですね。
まだ米軍統治下にあり、沖縄に行くにはパスポートが必要だったころ。
第二次世界大戦中、地形が変わるほどの砲弾を受けた沖縄は、
県民の4人に1人が亡くなったといわれています。
そんななか、生き残った沖縄の工芸のひとつ、八分茶碗に
琉球文化と工芸品を求めて沖縄に降り立った浜さんは、出会います。
中国から渡り、沖縄に長く伝えれれてきたもので、
仕掛けにより八分目以上水を入れると流れ出てしまう不思議な茶碗です。
何度も沖縄に通い、人びとと親しく交流するなかで、浜さんは
『身の丈を知り、八分目を良しとし、他者をも生かす、共存共栄の八分目という考え方が、
当時の沖縄の暮らしの隅々にまで息づいていることがわかってきた』
と綴られていました。
本土復帰から45年がたった今も、平和を愛する沖縄県民が
“いまだ戦争は終わっていない”
と嘆くような状況が残っていることを心に留め置かねば、
と改めて思います。
私自身、八分目を知る沖縄のいとしき家族・友や仲間たちを思うとき、
本土に住まう人間としての責任を感じながら、
つい最近の数々の米軍の落下物事件に心痛めています。
それにしても、この八分茶碗、調べてみるといろいろなバリエーションがあって
素敵です。
手に入れたくてうずうずしてきました。
職員A