ある人が自分にとって異文化との出会いは、
小学生の頃だったと書いていました。
その頃アメリカに暮らしていた自分は周りと違うと感じつつ、
同時に日本に帰国したときに、自分もそこに属しているだろう
その人たちを距離を持って見ていたそうです。
私にとってはどうだったか。大学生の頃、ネパールとアルゼンチンの女性
が家に来たことがありました。日本に研修に来ているとのことで、同じ年ころ
の私と会うのがいいかと思った父が誘ったのです。ネパールの女性は
当時の私にとっては見慣れないサリーを着ていて、外見もずいぶん違い
ました。一方、アルゼンチンの女性は日系の人で外見は何も違和感が
ありません。でも、座っている様子とかを見ると、まるで反対でアルゼンチン
の彼女はその振る舞いなど、ずいぶん違うなと感じさせるものでした。
ネパールの人は遠慮気味で、なんだか見慣れた感じを持ったのを
覚えています。
それから何年かしてAHIに就職。初めてネパールに行きました。
農村でのホームステイでの経験は初めてのことばかりでしたが、
「異文化体験」とは違うように思いました。固いものがなかなか
噛めず普段やわらかいものを食べているんだなあと思ったり。
足が泥で汚れたままなのがストレスになると感じたり。
初めての経験は、むしろ自分のこと、自分が身につけていることを
自分で初めて気づくようなことでした。
あなたにとっての異文化体験はどんなものですか?
職員 林かぐみ
活動地域の村に向かうNGOのスタッフ(2018年ネパールにて)