ミャンマー国軍のクーデターに抗議するミャンマーの市民の運動は、一か月たってもやむことなく続いています。
2019年の国際研修に参加したコーン(Khawn Taung)さんも、そうした運動に加わる市民の一人です。たくさんの人びととともに、寝る時間をおしんで毎日ヤンゴンの路上にたち、声を上げています。
そのコーンさんが、日本の人びとへのメッセージを私に送ってくれました。
「市民が投じた票を尊重せよと求める私たちの声を、聴いてください。
そして、民主主義のための私たちのたたかいを、支えてください。
私たちの指導者を解放するために、力をかしてください。」
原文(英語) “Dear Sisters and Brothers, Hear the voice of Myanmar which is respect our votes, support our fight for democracy. Please help to release our Leaders. Thank you. —-Khawn Taung”
コーンさんは、HIV/エイズ感染者・患者を支援するNGOで活動しています。
ビルマ人の仏教徒が多数派のミャンマーで、少数派カチン人として生まれたキリスト教徒でもあります。
カチンの武力勢力と政府との間の内戦は、今も続くミャンマーの大きな課題の一つです。国軍による掃討作戦に巻き込まれ、家や命を失ったカチンの人びとと、彼女もたくさん出会ってきました。
そうした自分の出自や経験から、異なる宗教や文化を持つ人たちの間の相互理解をすすめる活動も、自分の人生の仕事として取り組んでいます。
けれども研修中、国軍批判につながりかねないその平和への強い思いを、声高に口にすることはあまりありませんでした。話してくれるのは、夜、誰もいない私の部屋に来て小声で。あるいは私にメッセンジャーで。
その彼女が、毎日のようにfacebookで抗議の様子を伝えていることに、そして上記のメッセージを日本の人たちにむけて寄せてくれたことに、いかに今、ミャンマーの人びとが民族や宗教をの違いを超えてつながり、思いを一つにして、独裁政治に向けた抗議のエネルギーを発しているかを、実感します。
今日も、コーンさんはジャーナリストが拘束されたという記事を送ってくれました。
自分の地域では、抗議をしている市民8人が捕まった、とも。
他のミャンマーの研修生たちも、ヤンゴンの他の場所で、ネピドーで、街頭に立っています。
その一つ一つの投稿に「いいね」を押しメッセージを送りながら、ささやかだけれどもつながり続け、一人でも多くの人にその声が届くよう、寄り添っていきたいと、思います。
職員 清水
*写真はすべて、コーンさんのFacebookにあがっていたものを、コーンさんの許可をいただいて掲載しています。