写真 ママンさんと村障害委員会のメンバーたち (2020年1月 ジャワ島クラテン郡プルファン村)
AHIの研修に2004年に参加した、インドネシアの研修生ママンさん。彼は子どもの頃に罹ったポリオの後遺症で、足に障害が残っています。
AHIの研修に参加した当時は、ジャワ島のソロ市の、障害当事者の助け合いグループのリーダーでした。そのメンバーは20名弱。障害者の人たち自身が、家から出て、お金を稼ぎ、近所の人と語り、地域で役割をもちはじめ、地域の人たちが持っていた「障害者」のイメージを変える。小さくとも地道で確かな活動をしていました。
研修後は、自信をつけ、学びを生かし、ますますその才能を発揮。グループを支援していたNGOから請われ、そのNGOのスタッフとなり、数年後には事務局長へ。
今は自分のNGOを立ち上げ、インドネシアのジャワ島で、障害者助け合いグループづくりを続けています。その活動は、近年のインドネシア政府が進める地方分権化の流れにのり大きく飛躍。以前は、差別が根強く、誰からも顧みられなかった障害者グループメンバーたちが、村や郡での、障害者やその家族への福祉政策を決め実行する、という動きを生み出しています。
そんな彼の実績、行動力、ネットワークが認められ、1年ほどまえから、大統領府のアドバイザーにも。中央政府による障害者の人権向上のための施策づくりのキーパーソンとして、NGOの活動拠点ソロ市と、首都ジャカルタとを行ったり来たりする毎日です。
その大統領府が作成したのがこのビデオ。
障害者の権利向上のために昨年6月~7月にかけて制作されました。↓
https://m.youtube.com/watch?v=UIfIW1do7Uw&feature=youtu.be
主人公は、ママンさん。
本来のお仕事に加え、ロールモデルとしても期待されているようです。
タイトルは、「天国のお母さんへ~大統領府から書く手紙 Surat Dari Istana untuk Ibu di Surga* (A letter from Palace to my Mom in Heaven)」
彼の今の仕事ぶりが映し出され、そこに至る彼の人生、そしてそれを支えた家族、とくにお母さんへの感謝の気持ちを、ママンさん自身が語っています。←とのことです。by ママンさん。
(↑どなたかインドネシア語で字幕つけていただけたら嬉しいです!)
このビデオに込めたママンさんの思いをききました。
「障害をもつ子どもの成長には、家族、とくに、お母さんが果たす役割はとても大きい。インドネシアでは、障害を理由に子どもを学校に通わせるのをあきらめてしまうお母さんは多い。でも、学校に通うことはすべての子どもが持つ権利です。他の子どもたちと同じように学校に通えるよう支え、声をあげてほしい。それが将来、その子どもが、自立し尊厳を持って生きていく力になっていくのです。」
ぜひ、ご覧ください。
→https://m.youtube.com/watch?v=UIfIW1do7Uw&feature=youtu.be
障害児を持つお母さんたちのグループが郡の福祉課と話し合い ママンさんたちが支援している取り組みです。(2020年1月スラゲン郡)
職員 清水