昨日ある看護師さんと話した。長年、いろんな患者さんや家族の
人たちがいるのだから、自分の価値観を押し付けてはいけないと
思ってきたし、後輩にも言ってきた。
その人がある研修会に出たときのこと。あるストーリーを読んで
登場人物の中で「誰が一番悪いと思うか」を考えて話し合うゲーム
をした。そのとき「ほとほと見方や価値観が違うとはこういうことかと、
すうっと身体にはいってきた」と言う。
それでさえ、模擬体験であるわけだけど、その人にとっては、
それまでに何百回と言ってきたことが「本当にはわかっていなかった」
とわかり、それが「体の中に落ちた」体験だっと言う。
何事につけ、本当にわかるとは簡単ではない。
今AHIはバリアフリー化改修の佳境。車いす当事者の方の協力も
得て、トイレやシャワーの設計に何時間もかけた。で、あるとき、
部屋と部屋をつなぐドアの幅がせまいことにふと気がついた。
ドアのつけ方を変えることで幅が確保できることがわかって
一安心だったのだけど、そのとき「点」だけしか見えてなかった
と気がついた。
車いす利用者の人が行事に参加したり、さらにAHIに滞在して
研修に参加したり、言うまでもなくその人の一連の動きがある。
当然のことのはずだけど、そういうとらえ方できていなかった。
それだけに「ホントにわかった!!」体験はとても貴重。
そういうものを一つでも積み重ねていけたらと思う。
職員はやしかぐみ